小説のお便り

日本国内で出版されている様々な小説たちを紹介するブログです

方針について

本を紹介するにあたって、以下の二つのことを基本的な方針とします。

1.本の冒頭文を載せる
本は冒頭文が何よりも大切です。夏目漱石の『吾輩は猫である』が有名なのは“吾輩(わがはい)は猫である。名前はまだない。”という文が人を惹きつけるからであり、川端康成の小説が美しいとされているのは、『雪国』の“国境の長いトンネルを抜けると雪国であった。夜の底が白くなった。信号所に汽車が止まった。”という文章から情景がまざまざと思い浮かべられるからです。そして、本を選ぶ時も大体は冒頭を読んで決める人が多いと思います。ただ物語を紹介するだけで、その本を読んでもらえると考えるのは独善的な考えであり、読む側にしてみればギャンブルをするようなものです。そしてその賭けに負けると、本を読むという行為が嫌な経験になってしまうと思います。そうなってしまわないためにも、本の魅力を知ってもらうためにも、私は冒頭文をまずはじめに載せようと思います。


2.全て合わせて1,200文字以内に収める
日本人の平均的な読書スピードは、毎分400〜600字程度だとされています。そして読書スピードがどのようなものであろうと、長い文章というのは本腰を入れて「読むぞ!」と思わない限りとても面倒なことです。ですので、全て含めて3分程度で読み切れる程度の記事を書くことを心がけます。また、本を紹介するためにその紹介文を長々と書くのは本末転倒なことだと思いますし、それはとても無駄なことだと思います。